男性型脱毛症ガイドラインにはAGAの治療に必要な成分というのが記載されています。それはたとえば塩化カルプロニウム、アデノゲン、t-フラバノン、サイトプリン・ペンタデカン、カロヤンといったものなのですが、育毛剤にすべて含まれているとは限りません。上述のような成分がいろいろとあると混乱するかもしれませんが、結果的に最重要なのは、ミノキシジルとフィナステリドで、特にフィナステリドが最重要です。

育毛ガイドラインを実際に見てみると良いのですが、多くのサイトでミノキシジルとフィナステリドが赤文字になっていたり太字で強調されていることがわかるはずです。しかし、美容業界が打ち出す育毛商品には特にフィナステリドのことが触れられていない場合も多いです。なぜかというと、その成分は体内に入れる必要があって、さらにホルモンバランスを変えるものなので、安易に扱えないということがあります。美容業界は基本的に皮脂の除去や乾燥を防ぐという体外から皮膚に影響を与えることが限界で、体内から血流を高めたり、悪玉の男性ホルモンであるジビドロテストステロンを抑えるというのはどちらかというと美容よりは医療の分野になります。育毛を本格的にやればやるほど美容ではなく医療になるので、美容業界がそこに触れないということがあります。美容業界の商品によって育毛の土壌を作るようなことは可能なのですが、はっきり言ってしまえばそれが限界で、育毛そのものをシャンプーや市販の育毛剤で行うというのはほぼ不可能です。少なくともAGA治療にはなっていません。本格的なAGA治療の場合は第一にジビドロテストステロンを抑えるということを重視しており、これはホルモンバランスを変えます。薬というのはだいたいの場合、効果が高ければ高いほど副作用が強いという事実があり、逆に副作用が弱いものというのは効果が弱いものが多いと言えるでしょう。美容業界が市販で売っているような商品にそのような副作用の強い商品というのはないので、効果もそれほど期待するものでもなく気休めということです。これは化粧水や乳液なども同じで、角質層や表皮に影響を与えるだけなので、劇的な効果を発揮するものでもないということです。仮に肌の表面からそのようなことができてしまえば、肌のターンオーバーに莫大な影響を与えてしまうので、危険です。肌というのは本来体内から自然に整うもので、また体内から新しいものが生成されています。なので、体内から生成する段階というのがむしろ一番重要なのです。表面に出ている部分というのはターンオーバーでいうと最終段階なので、ここにこだわってもあまり意味がないということがあります。仮に現状でニキビができたり乾燥しているのであれば、洗顔や化粧品を見直すということもたしかに重要なのですが、生活習慣を見直すというのが必要です。

食事や睡眠はもちろん、運動が与える影響は大きいです。筋肉を付ければ代謝や血流が向上し、成長ホルモンの分泌が促されるので、肌の機能や内臓の機能が高まります。なので、筋トレや有酸素運動を行うことは肌や育毛にも非常に有効です。肌は内臓を映す鏡というようによく言われますが、その通りで、改善のためには運動がかなり貢献します。むしろ内臓を直接鍛えるというのは難しく、肺や脳くらいでしょう。肺や脳を直接的に使って鍛えるということは重要で、特に脳は人間の根幹なので積極的に使った方が良いです。しかし、運動によってこれらの臓器の機能も高まります。育毛というのはいろいろと面倒なことやホルモンバランスが変わるという副作用もあります。なので、よく考えて実行するというのが大切でしょう。