男性型脱毛症診療ガイドラインを作成している優れた皮膚科専門医を育成している公益社団法人日本皮膚科学会とは
髪の毛の薄毛の原因として最も多いものの一つに男性型脱毛症がありますが、最近では男性型脱毛症が原因の薄毛の適切な診療方法を示すものとして、男性型脱毛症診療ガイドラインも作成されています。このガイドラインを作製しているのは公益社団法人日本皮膚科学会で、この団体には日本各地にいる多くの皮膚科専門医が加入しており、日本における皮膚科の権威として知られています。ではこの公益社団法人日本皮膚科学会とは、実際にどのような活動を行っている団体なのでしょうか。
公益社団法人日本皮膚科学会の活動として挙げられるものに、皮膚科専門医の認定がありますが、これは優れた皮膚科専門医の養成のために作られた制度です。専門医として認定されるためには日本皮膚科学会が指定する研究施設などで一定の期間にわたって臨床研修を受けるなどの条件が必要です。そうした条件を満たした会員で試験に合格した者だけが皮膚科専門医の認定を受けることができますが、この認定は一度受ければ後はずっとその名を使用できるというものではなくて、一定の期間ごとに更新をする必要があります。この更新を行うためには学会への出席や研究の発表などを行って、一定の基準単位を修得する必要があります。このように厳格な認定制度を採用することによって、日本皮膚科学会では優れた皮膚科の育成に努めています。こうした認定制度の他にも日本皮膚科学会では皮膚科の専門技術の向上を手助けするために、幅広い活動をしていますが、その一つが日本皮膚科学会雑誌という雑誌の発行で、この雑誌は一年間に十四回ほど発行されていて、日本皮膚科学会に所属する全ての会員に対して配られています。この雑誌は1901年に創刊された非常に長い歴史を持っている皮膚科医師のための専門雑誌であり、皮膚科に関する学会抄録や原著論文など、皮膚科の医師が診療を行う上で有益となる情報が数多く掲載されていて、会報等も充実していて、現在では一年を通しておよそ2000ページ以上のページ数がありますが、その一方で日本皮膚科学会では欧文誌も発刊しており、このThe Journal of Dermatologyという雑誌には国内だけではなく国外のものを含めた原著論文を掲載しています。日本皮膚科学会では毎年総会も開催していますが、この総会には日本国内の会員だけではなく、日本国外の会員も広く参加しており、毎年一回開催される期間内には研究の発表や学術講演、ワークショップ、シンポジウムなどが多彩なイベントが行われており、皮膚科の専門医が専門の知識を吸収できる場所としても大きな意味を持っている一方で、この総会では皮膚科医として研究などで優れた功績を残した会員に対して、日本皮膚科学会雑誌論文賞や皆見省吾記念賞などの賞の授与も行われており、受賞を受けた人間の講演も同時に行われています。
また日本皮膚科学会では毎年、11月12日をひふの日と定めてさまざまな活動をしていますが、これらの活動は日本臨床皮膚科医会と協力して行われていることが一つの特徴であり、日本各地にいる会員が健康診断や無料の検診、講演会を開催するなどのイベントを行うことによって、多くの国民により正確な皮膚疾患の知識を知ってもらうことに努力しています。
公益社団法人日本皮膚科学会ではこのように、さまざまな活動を行うことによって、日本における優れた皮膚科の専門医の育成や、皮膚疾患に対する国民の知識の普及に努めていますが、こうした皮膚科の知識を広めることの意味としては人々のQOLを向上させることを目的とする意味合いも持っており、人々が皮膚の病気にかかった時に、その症例を正しく理解して、病院で適切な診療を受けることによって、できるだけ早く病気の回復をして生活の質を向上してもらえることも活動の目的になっています。